WHAT IS SPORT-BOULES ? - スポールブールについて


スポールブールは金属球を用いて行われるフランス発祥の球技です。特にフランス南部の都市リヨンでは伝統的かつ盛んに行われていることから「ブール・リヨネーズ」とも呼ばれます。英語の発音に従うとスポーツボールですが、日本ではフランス語の発音にならい「スポールブール」と呼ばれています。

スポールブールの試合はボールを投げる、転がすことによって展開されます。このボールを投げて他のボールにほぼ直接当てることを「ティール」といい、目標に向かってボールを転がすことを「ポワンテ」といいます。

基本的な道具

 

左 : ボール(金属球)

 

重さは900g~1200g(女子は最小800g)、直径は90~110mm(女子は最小88mm)と定められており、この範囲内であれば自由に好きな大きさのボールを使用できます。柄も数十種類の中から好きなものを選ぶことができ、文字の刻印もできるので自分だけのボールをデザインして使用することができます。

 

右 : ビュット

 

木製で重さは23~27g、直径は35~37mmと定められています。

主にトラディショナルゲームにおける目標球として使用されます。

 

バゲット

 

長さは50cmです。ボール同士の距離を測ったり、ボールの位置やティールをする際のマーキングに使用されます。折れ曲がった先端の部分の長さは5cmと定められています。


コート

スポールブールのコートは以下の図の様にして構成されています。男女・年齢別で距離が異なる部分もありますが、基本の大きさは縦27.5m、横幅は2.5mから4mと定められています。競技は全てこのコート内で展開されます。

バックエリア

男子は長さ0.5m、女子は2.5mです。

 

予備ゾーン

男子は長さ2m、女子は1.5mです。

 

ビュット投入ゾーン

ゲームは基本このゾーンの中で展開されます。男子は長さ5m、女子は3.5mです。

 

センターエリア

男女ともに長さ12.5mです。※14歳以下は11.5m

 

ファーストライン

ボールを投球する際に足がこのラインに触れると違反投球となります。そのためフットラインとも呼ばれます。

 

セカンドライン

回の初めに投げ入れるビュット(目標球)はこのラインを越えるとアウトになります。マキシマムラインとも呼ばれます。

 

サードライン

ボールがこのラインを超えるとアウトになります。そのためアウトラインとも呼ばれます。

 

フォースライン

コートの一番端にあたりエンドラインとも呼ばれます。



ゲーム

スポールブールには全6種目が存在し、ボールを投げて白球を弾くことで得点を競う「ティールゲーム」とルールがカーリングに近いとされる「トラディショナルゲーム」に分けられます。ここではその全6種目について解説します。

〈ティールゲーム〉

プログレッシブ 

プログレッシブ は1人で5分間、数10メートル先の白球を狙ってボールを投球しながらコート内を往復して走り続け、その白球に当てた回数を競う種目です。白球の手前の枠に落ちて白球に当たったボールまでが有効とされ、1球当てるごとに白球の位置が80cmずつ移動します。

競技者が投球するボールのスタンドへのセット、当たった際の白球の移動には他者のサポートが必要となります。女子種目の場合は白球が3箇所目の位置で折り返しとなります。

プログレッシブ 競技動画(YouTube FFSB)


ラピッド

ラピッドは2人ペアでプログレッシブ と同様にして行われる種目ですが、プログレッシブ と異なり当たっても白球の位置は1箇所目と3箇所目の位置に固定されます。ペアは1人4投ずつで交代し、1投目と3投目は1箇所目の位置、2投目と4投目に3箇所目の白球を狙います。

目標球の位置は男女ともに同じです。

ラピッド競技動画(YouTube FFSB)


プレシジョン

プレシジョンは11通りに置かれる白い目標球のみにボールを正確に当て得点を競う種目です。障害球である赤球に当たってしまうと無効となり得点になりません。それぞれの位置によって得点が異なり、図の通り1投目は1点ですが11投目は5点となります。

男女で目標球の位置が異なります。

プレシジョン競技動画(YouTube FFSB)


〈トラディショナルゲーム〉

シングル・ダブルス

シングルはゲームの最初に投げられる小さい目標球(ビュット)にボールを転がして近づけたり(ポワンテ)、相手のボールを投げて弾いたり(ティール)して自分のボールをどれだけ相手のボールより多く目標球に近づけることができるかを競う種目です。

試合時間は国際大会では90分もしくは13点先取とされることが多いですが、国際競技規則に定められた範囲であれば自由に設定することができます。

持ち球は1人4球で、相手のボールより目標球に近い球の数がそのまま得点となります。例えば図の場合、選手Aのボールが選手Bの最もビュットに近いボールよりも3球ビュットに近いので選手Aに3点が入ります。

ダブルスの場合は持ち球1人3球となり、ゲームはシングルと同様にして行われます。



トラディショナル競技動画(YouTube LIGUE SPORT BOULES M1)

コンビネ

コンビネは持ち球1人4球で、対戦相手とは回ごとにポワンテ(ポールを転がす)のみを行うかティール(ボールを投げて弾く)のみを行うかに分かれます。お互いが4球ずつ使い切った時点でその回は終了となり次の回ではポワンテとティールを行う人を逆にして、これを8回繰り返します。始めの目標球となるビュットをコート内に投入する権利は2回ずつで交代となります。

ポワンテでは投入されたビュットを中心とした半径70cmの円の中にボールが止まれば1点、ボールがビュットにほぼくっついた状態(ビブロン)で止まれば2点が入ります。ボールが円に入らない、もしくは円にかかっている場合は得点になりません。

ティールでは相手のポワンテにより円の中に入ったボールを弾く、もしくは相手のポワンテが円の中に入らず相手の持ち球が無くなった場合にビュットの位置に替わって置かれるボールを弾くと1点が入り、ビュットを弾くと2点が入ります。ビュットは1回に2球まで狙うことができます。ティールをしても弾いたボールが完全に円の外に出なければ得点になりません。